あくまで個人の雑感です。

思ったことを適当に。

若月佑美さんの真面目さって、極端な長所でもあり短所でもある気がするわけで。

言いたいことはタイトルにすべてこめてしまったことに、本文を書き始めてから気付きました。

若月さんを誰かに紹介しようとした時、まず口から出るワードが『真面目』
それをきっかけに『レズ』『ロボット』『レズロボット』『キャプテン桜井さんと怪しい』といった乃木坂工事中を見ている人にはおなじみの面白紹介が続くわけですが、若月さんを象徴する『真面目さ』というのが、今後彼女が大きく進化するための一種の足かせになっているのかもな、となんとなく考えた次第です。

まじめすぎる若月さん

きっかけは、昨年公開された乃木坂のドキュメンタリー映画『悲しみの忘れ方』のパンフレットでの、ネルケプランニング代表取締役である松田さんとの対談でした。
この対談で、若月さんのマジメさについて言及・・・というか、ツッコまれている箇所があります。

松田 若月は、もし乃木坂46を卒業しても女優としてやっていくんだよね?
若月 そうですね。やれればいいなと思っています。
松田 絵はどうなの?
若月 絵ですか? 絵は基礎もわからないまま独学でやっているので、専門家から見て正しいのか……。
松田 関係ないって。型にはまる必要はないんだ。あんなに自由な絵を描いているのにどうしてそう思うのかなぁ。
若月 あははは。


(中略。対談の最後にて)


若月 頑張ります!今日は本当にありがとうございました。松田さんの言葉、すごく勉強になりました。
松田 だから、まじめすぎるって!


悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46 パンフレットより引用

この対談を最初に読んだ時は、『あぁ、やっぱ若月さんは真面目な人だなぁ』と思う程度だったんですが、その印象に引っ掛かりを感じるようになったのが、乃木坂工事中2015年12月14日放送の若月さんの主役回『若月佑美の脱マジメ化計画』でした。

危うさを秘めた真面目さ

この企画において、若月さんは放送から10か月近く経った現在も現役でイジられ続ける伝説のネタ『箸くん』を生み出すわけですが、その放送を笑いながら見る中で、なんとなく『若月さんは、与えられた題材を愚直に、まっすぐに捉えようとして、他の角度からものを見るのが苦手なのかな』と思いました。
もちろん、そんな若月さんのまっすぐさがあったからこそ、今現在も愛される箸くんという偶然の怪物が生まれたわけなのですが。
とにかく、この放送を見て、若月さんの真面目さというのは、彼女の大きな長所でもあり、同時に、人としての柔軟性を殺しかねない短所となりうる危うさを秘めているのかもしれないな、と思いました。

その真面目さは進化を妨げる

そして、つい先日発売された『別冊カドカワ 乃木坂46 vol.3』。
本一冊、丸々乃木坂特集という、ファンにとって必読の本なのですが、その中に、乃木坂の舞台について言及した特集記事がありました。
当然、昨年の10月に上演された若月さん出演の舞台、『すべての犬は天国へ行く』についてのページもあり、演出を担当された堤泰之さんによるインタビューの中で、出演者一人一人に対するコメントがあり、若月さんに対するコメントもありました。

マリネ役の若月佑美さんはとにかく真面目で、今、求められているものがすぐわかる人。先々、自身の殻を破ることができる役に出会ってほしい。そこからさらに先に行けるから。


別冊カドカワ 乃木坂46 vol.3 演出家・堤泰之さんのインタビューより引用

ここでも、やはり第一声で真面目さについて言及されています。
そして、言葉としてはとても前向きですが、コメントは裏を返せば『あともう一歩だった』と取ることもできます。
(ただ、このインタビューにおいて、堤さんは他の出演者に対しても褒めるところはきちんと褒めつつ、足りないところもきちんと伝えるという、とても愛を感じる誠実な答え方をされています)
このインタビューを読んで、若月さんの真面目さが、今現在の彼女自身の進化を妨げているものだということを半ば確信しました。


若月さんにどこまでもついてまわる『真面目さ』ということについて考えだしたとき、僕にはある光景が思い浮かびます。
それは、先述した乃木坂の映画でのワンシーン。
グループが結成されて間もない頃の若月さんが、メンバー全員の前で号泣しながら謝罪しているシーンです。
フラフラと行き場のなかった過去の自分から脱却し、新たな未来へと駆け出した矢先、その過去の自分に足を取られる若月さんの姿。

もしかして、あの時若月さんは、『真面目さ』という呪縛にかかったのかもしれないな、と思います。


それでも、『真面目さ』は彼女の最大の長所

ただ、それでも若月さんにとって真面目さというのは最大の長所ですし、その真面目さがこれまでの、そしてこれからのキャリアの足掛かりにつながることは間違いないと思っています。
その長所からくるギャップがNOGIBINGO!での妄想リクエストや、ロボットダンス、箸くんのような神がかり的な面白さや魅力にもつながっていますし、なにより真面目でなければ舞台は務まりません。

『真面目さ』を手放すことなく、舞台において常に目の離せない魅力を今以上に放ち続ける若月さんへと進化する日を、いちファンとしてこれからも応援していこうと思います。